Discipline Crimson 期を、11CD+5DVD+3Blu-rayでまとめたボックス。
Discipline Crimson 期については、3作品毎にボックス化するだけのマテリアルはあったはずにもかかわらずそうしなかったのは、新たな発掘音源が限られていることによるものと思われる。 KCCCシリーズや、DGM Live のダウンロード販売の再収録率が高まることでボックスとしての希少性が低くなることを避けたのであろう。 勿論3作品毎のボックス化にした場合、その1ボックス当たりの売上が期待できないという認識もあっただろうが。
上記を踏まえた上での本ボックスの特徴は、映像作品の充実である。
フレジュスでのライブより映像が綺麗なミュンヘンでのライヴ映像も素晴らしいが、やはり1984年の日本でのライヴ映像が素晴らしい。 販売済みのものより尺が長い編集済みヴァージョンの発掘と、編集前のヴァージョンの断片が収録は初めてのことである。
ただ複数日の衣装が同じであることから映像作品化を前提としたことが判った一方、収録日のクレジットが明確化が今ひとつ進まなかったのは残念である。
1 Discipline
2011年に発売された 40th Anniversary Series の 『 Discipline 』 のCDと同じ内容。
2 Live in Japan
本音源は、DGM Live から2011年にダウンロード販売された 『
Kokusai
Hall, Tokyo, Japan 』 と同じく1981年12月18日の東京でのライヴを収録したものである。
2016年に 「 Newly
mastered 」 とクレジットされているため、本作品のためにリマスターされたものと思われる。
3 Beat
2016年に発売された 40th Anniversary Series の 『 Beat 』 のCDと同じ内容。
4 Live at Alabamahalle
本音源は、2006年に King Crimson Collectors' Club
の32作品目としてリリースされた 『 Live in
Munich, 1982 』 と同じく1982年9月29日のミュンヘンでのライヴを収録したものである。
収録曲目、曲数は変わらないが、6曲が別ソースからのもので、かつ2016年に新たにリマスターされている。
5 Fragmented
1~14曲目までは、2003年に King Crimson Collectors' Club
の21作品目としてリリースされた 『 Champaign -
Urban Sessions 1983 』 と同じ内容。
新たに追加されたのは2曲。 1曲はシモンズをバックにヨリヨリ言うだけの ” Yoli Yoli ”。
もう1曲の ” Adrian and Robert ” は、同タイトル曲が KCCC42 の 『 Rehearsals & Blows
』 にも収録されているが、そちらが3分の編集に対して、本ディスクには8分弱に編集されている。 内容はあまり変わらないが。
6 Three of a Perfect Pair
2016年に発売された 40th Anniversary Series の 『 Three Of A Perfect Pair 』 のCDと同じ内容。
7&8 Absent Lovers
1998年にリリースされた 『 Absent Lovers 』 を新たにリコンパイルしたもの。
9 Are you recording Gary?
Discipline Crimson のリハーサルやレコーディング音源から編集した楽曲をまとめたもの。
一応1曲目が ” Larks' Tongues In Aspic Part III ” を中心に、残り3曲は3枚のアルバムの関連音源から各々抽出したものと思われるが、ランダムに音源を活用している可能性もある。
特に ” Are you recording Gary? ” においては、中間部に ” VROOOM ” のフレーズが出てくる所が興味深い。 多分 ” Red ” のフレーズをちょっといじっていた結果出てきたものと思われるが、それがそのまま10年後に ” VROOOM ” として完成したことになる。
10 DVD-A
Audio content
MLP Lossless 5.1 Surround (24/96)
DTS 5.1 Digital Surround
2011 surround mix
MLP Lossless Stereo (24/96)
PCM Stereo 2.0 (24/48)
2011 stereo mix
30th anniversary remaster
Additional Tracks
PCM Stereo 2.0 (24/48)
Album rough mixes
Video content
LPCM Stereo (24/96)
LPCM Surround
Selections from The Old Grey Whistle Test
『 Discipline 』 の 40th Anniversary Series のDVD と同一内容。
13 BLU-RAY DISC
All of the contents of the DVD-A
stereo tracks in
LPCM Stereo (24/96)
surround tracks in
LPCM 5.1 Surround
DTS-HD MA 5.1 Surround (24/96)
plus the following additional materials exclusive to the Blu-ray Disc
Video Content
LPCM Stereo ( 24/48)
Moles Club, October 5, 1981
LPCM Stereo (24/48)
DTS-HD MA 5.1 Surround (24/48)
Live in Frejus ( widescreen format )
本ディスクには、先ずDVD10の内容が音源フォーマットを変更してそのまま収録されている。
更に映像作品が2つ追加されている。
1つはフランスのTV番組でのインタビューと ” Elephant Talk ” の演奏。
もう一つが、フレジュスでのライヴで、今までも 『 The Noise Live At Frejus 』
等の作品でリリースされたTV放送用コンテンツが、ワイドスクリーン・フォーマットで収録されている。 ただ時期的には
『 Beat 』 のはずで、『 Discipline 』 の時期に収録されているのは違和感がある。
11 DVD-A
Audio content
LPCM 5.1 Surround (24/48)
DTS 5.1 Digital Surround
2016 surround mix
MLP Lossless Stereo (24/48)
LPCM Stereo ( 24/48)
2016 stereo mix
30th anniversary remaster
Alternate album
Video content
LPCM Stereo (24/48)
『 Beat 』 の 40th Anniversary Series のDVD と同一内容。
14 BLU-RAY
All of the contents of the DVD-A
stereo tracks in
LPCM Stereo (24/96)
surround tracks in
LPCM 5.1 Surround
DTS-HD MA 5.1 Surround (24/96)
plus the following additional materials exclusive to the Blu-ray Disc
Video Content
LPCM Stereo (24/48)
Live at Alabamahalle ( widescreen format )
本ディスクには、先ずDVD11の内容が音源フォーマットを変更してそのまま収録されている。
映像作品については、ミュンヘンでのライヴが6曲(DVD11では2曲)収録されている。
このミュンヘンでの映像は放送用のコンテンツをワイドスクリーン・フォーマットにしたもので、約1ヶ月前のフレジュスでのライヴに比べてステージも明るく、且つ映像も綺麗である。
版権の問題等色々あったのかもしれないが、フレジュスではなくミュンヘンでのこのライヴの映像ソフト化が先行されてもよかったのではないかと思う。
ただステージが明るかった分照明が強かったらしく、動きの少ないフリップ以外の3人は汗だらけとなっている。 特にブルーフォードは黄色のシャツが汗でぴったり肌にくっついてしまっている。
12 DVD-A
Audio content
MLP Lossless 5.1 Surround (24/48)
DTS 5.1 Digital Surround
2016 surround mix
MLP Lossless Stereo (24/48)
LPCM Stereo (24/48)
2016 stereo mix
30th anniversary remaster
Left side:
Right Side
Other Side
Video content
LPCM Stereo (24/48)
『 Three Of A Perfect Pair 』 の 40th Anniversary Series のDVD と同一内容。
15 BLU-RAY DISC
All of the contents of the DVD-A
stereo tracks in
LPCM Stereo (24/96)
surround tracks in
LPCM 5.1 Surround
DTS-HD MA 5.1 Surround (24/96)
plus the following additional materials exclusive to the Blu-ray Disc
Audio Content
LPCM Stereo (24/48)
LPCM 5.1 Surround
DTS-HD MA 5.1 Surround (24/48)
Absent Lovers Live at the Spectrum Montreal. 1984
Video Content
LPCM Stereo (24/48)
Three of a Perfect Pair Live in Japan ( widescreen format )
Third Night
Complete show from the original masters with
previously unreleased footage of the second half of the set.
Japan April 29th 1984 ( part show )
Second Night
Previously unreleased Performance. The second
half of the set taken direct from the original masters.
Japan April 29th 1984 ( single camera )
Second Night
Previously unreleased footage of the second half of
the set. Single unedited camera angle direct from the camera masters.
Japan April 30th 1984 ( single camera )
Third Night
Previously unreleased footage of the second half of
the set. Single unedited camera angle direct from the camera masters.
『 On (and off ) The Road 』
の最大の成果は、本ディスクに収録された1984年の来日公演の映像である。
この時のライヴは今はなきLD時代から形態を変えながらリリースされている。
(1) 1984年:『 Three Of A Perfect Pair Live In Japan 』
(2) 1991年:『 Three Of A Perfect Pair Live In Japan 』 (1)から ”
Discipline ” と ” Three Of A Perfect Pair ” のライヴ映像が削除
(3) 2004年:『 Neal And Jack And Me 』 に、(2)がそのまま収録(日本語クレジットもそのまま)
ただ、収録日のクレジットが明確ではなく、(1)には無記載、(2)には4/29,30と記載、(3)には4/28と記載されている。 (3)については明らかなクレジットミスとしていて、本ディスクの
Three of a Perfect Pair Live in Japan ( widescreen format ) は、4/30とクレジットされている。
4/29と4/30は、映像収録を前提として同じ衣装でステージに登場していることがわかる。 また、(3)と本ディスクの Three of a Perfect
Pair Live in Japan ( widescreen format ) を同時に2台のプレイヤーで再生すると、ブリューがドラムとギターを演奏する
” Waiting Man ” において、同じ衣装のブリューが楽器間を移動するタイミングが異なっていることがわかる。
4/29の映像で特筆すべきことは、” Sleepless ” の中間部にフリップ抜きの3人による2分強の演奏パートが差し込まれていることで、ブルーフォードとレヴィンによる演奏にブリューが生ドラムで演奏に参加していく。
シングル・カメラでの映像ではフリップがブルーフォードに合図を送っているようにも見えるが、このパートが意図的なものなのかフリップの器材トラブルによるものなのかよく判らない。
ただ今回の widescreen format については、ライナーでデヴィッド・シングルトンが記載している通り、問題点はある。 オリジナルの4:3のフォーマットから上下を少しカットして、かつ横方向に少し延ばした映像となっており、この点だけは大いに悔やまれる。
16 Live at Moles Club
本音源は、『
The King Crimson Collectors' Club の11作品目
』でリリースされた後、 DGM
Live でも配信されたもの。
2016年に 「 Remastered 」 とクレジットされているため、本作品のためにリマスターされたものと思われる。
17 Europe 1982
1982年8月27のフレジュスでライヴを収録したものであるが、既存の映像作品や DGM Live のダウンロード音源とは異なる内容である。
先ず、ライヴ・アルバム用のマスター・テープからの初出音源として、1~6曲目が採用されている。 1982年のライヴ・アルバムを公式リリースしようとしていた事に驚かされるし、その音源が今回発掘されたことは非常に喜ばしい。
ただ、7~10曲目は既発音源からの採用とのことで、明確なクレジットはないが、DGM Live のダウンロード音源と同じものと思われる。
7~10曲目までのライヴ・アルバム用のマスター・テープが残っていないということは、そもそも作られていなかったという可能性もあるわけで、逆に捉えればライヴ・アルバムのリリースはかなり計画が進んでいたとも推測できる。
18 DVD More Neal and Jack and Me
Video Content
DTS Digital Surround (24/48)
LPCM Stereo (24/48)
The Noise - Live in Frejus (4:3 standard definition format )
Three of a Perfect Pair Live in Japan (4:3 standard definition format )
BLU-RAY11 に収録されていた Live in Frejus と、BLU-RAY15 に収録されていた Three
of a Perfect Pair Live in Japan を、4:3 format で収録している。
無理矢理 Widescreen format にした BLU-RAY
収録版に比べて違和感はないが、画像の鮮明さはやはり落ちる。
19 DVD The Town and the City
Audio Content
LPCM Stereo (24/48)
Philadelphia
Asbury Park 1982
Cap D'agde 1982
Frejus 1982
LPCM Stereo (24/96)
Europe 1982
Video Content
Dolby AC-3 Stereo
Live at Alabamahalle ( 4:3 standard definition format )
Philadelphia は、1982年7月30日のフィラデルフィアでのライヴ。
King Crimson Collectors' Club
の26作品目としてリリースされた後、 DGM Live でも 『
Live in Philadelphia, PA 』 としてダウンロード販売されたものと同じ。
Asbury Park 1982 は、1982年7月31日のアズベリー・パークでのライヴ。 DGM Live からのダウンロード販売されたものと同じ。
Cap D'Agde 1982 は、1982年8月26日のキャップ・ダグドゥでのライヴ。
D.G.M. Collectors' Club の4作品目として、1,2,4,5,6,7の6曲がリリースされた後の、DGM Live からのダウンロード販売版(” Red ” と ” Indiscipline ” を追加)したものと同じ内容である。
Frejus 1982 は、DGM Live からのダウンロード販売されたものと同じ。
Europe 1982 は、フレジュスでのライヴ音源だが、ライヴ・アルバム用マスターから収録された初出音源となる。 この音源はそのまま CD17 の一部として使われている。
Live at Alabamahalle は BLU-RAY 14 に収録されたものと同じコンテンツが、TV放送用の4:3のフォーマットで収録されている。
(追加:2018年5月25日)